サーキットって敷居が高いなァ、と思っている人のために、こんなページを作ってみました。
コース上を走ることは、実はそんなに大変なことではありません。なんせケメ子でさえ走っている位ですから、普通の人には全然難しいことではありません。小学生時代、ABC三段階評価で体育にCが付いてたケメ子が走っているのです。
「そんなヤツは危ないからヤメろ」なんて言わないで…(笑)。
実際、一番重要なのはタイムではなくて心がけなのですが、それについては今回は割愛。サーキットにたどり着くまでの内容を書いてみます。
サーキット走行を始めるまでの道のりを辿ってみましょう。
何はともあれ、車両が無ければサーキットは走れません。まずはサーキットを走るバイクを用意します。
アメリカンやスクーター、ビジネスバイク(カブみたいの)はダメと言われることも多いですが、それ以外であれば排気量やカウルの有無は関係ないです。ナンバーや車検の有無も、関係ありません。
50ccでも1300ccでも、ツアラーでもノンカウルでも、楽しく走れるサーキットは存在します。
装備の中で一番手が出しにくいのは革ツナギでしょう。高価なものですが、清水の舞台から飛び降りるつもりで買うしかありません。吊るしのサイズが入る体型であれば、3万円程度から買えます。ワタシのツナギは、3万円くらいのをベースに、色オーダー(ケメ子号にあわせてピンクを少し)、サイズ小変更(股下を短くしてもらいました(笑)。…いや、笑うな!)、全面パンチ加工(夏場に暑いのはイヤ)、ネーム6文字入れを行い60,900円でした。ん、意外と安い?。でも、ケメ子には充分、清水の舞台でしたが。
インナースーツと脊椎パッド(画像)も忘れずに購入しましょう。
インナースーツは、全身タイツ様の外観をしたスケスケの着衣です(と書くと怪しさ爆発ですが)。汗をかいても多少は快適で、またツナギの裏地との摩擦が小さいので、体の動きを妨げません。快適性だけでなく、体の動きを妨げないことは安全性にも直結するので重要です。1万円くらいあればお釣りがくるかも知れません。
脊椎パッドは、背中に背負うようなプロテクタです。カメの甲羅のようなもの、と言えば良いのでしょうかね。個人的には、絶対に必要な装備だと思います。コースに入るときに脊椎パッドをチェックされることは稀ですが、万一のときに自分の背骨(脊椎)を守ってくれる大切な装備です。背骨が折れたらどうなるかを考えれば、装着しないことがいかに恐ろしいか想像するのはたやすいことでしょう。ミニバイクレースなどでも、装着を義務付けられることが多くなっています。脊髄パッドという言葉もあるようですが、個人的には脊椎パッドと呼ぶ方が自然に感じます。このパッドの目的は脊椎(背骨)を傷めないことですからね。脊椎を守った結果として脊髄が守られますが。
着用の順番は一般的に
インナースーツ→脊椎パッド→ツナギ
となります。
ケメ子はインナースーツの下にTシャツを着込みますが、それはお好みで。ツナギの下にワイシャツを着るような変態さん(マルコ・ルッキネリ:1981年ワールドチャンピオン)も居るようです。
次はヘルメット。フルフェイス以外はお勧めしません。というか、フルフェイス以外は基本的に禁止なのではないかと思います。
ヘルメットにも色々な規格があります。個人的には、SNELL規格品(凄く厳しい規格。国際格式レースでは必須)がよいのではないかと思っています。日本のロードレースで使える製品には、MFJ認定品というのもあります。認定品には、SNELLであれMFJであれステッカーがヘルメットの内側に貼られていますので、その辺りを確認しても良いかも知れません(内装が取りは外せるタイプのヘルメットでは、内装を外さないとステッカーが見えないものもあります)。どちらにも対応していないヘルメットでもダメと言われることは少ないでしょうが、そのようなヘルメットはサーキットでの使用をあまり考慮していないのか、かぶり心地の緩い製品が多いように感じます。かぶり心地が緩いヘルメットは、サーキット走行ではヘルメットが動いてしまって走りにくいかも知れません。私は、頭が痛くならない範囲で最もタイトなサイズを選んでいます。内装が交換できるタイプのヘルメットであれば販売時に内装サイズを調整をしてくれるお店もありますので、そのような手段を取っても良いでしょう。
新たに購入するのであれば、若干高価でも、SNELL規格のヘルメットでピッタリとフィットするものを用意するのがお勧めです。高い安全性を求める厳しい規格でもあるので、ケメ子的には安心感もやや高いです。
規格に関するAraiのページ。SNELL規格はレースに参加する人だけでなく、全てのユーザーを対象とした最高の規格を設定し、その規格に適合しているヘルメットか、適合していないヘルメットかを識別する有効な手段をユーザーに提供する
ものだそうです。
ヘルメットの規格は年々厳しくなります。SNELLでは5年ごとに合格基準が厳しくなります。また、内装は経年劣化があり、使い始めてから3年もすると新品時と比べると性能は大きく劣化しているそうです。サーキット/公道を問わず、できる限り新しい設計の、使い始めてから時間の経っていないヘルメットを使うことをお勧めします。
まずはブーツ。足首が全く曲がらないのは問題ですが、運動靴みたいにどうにでも曲げられるのも問題です。足首があらぬ方向に簡単に曲がってしまうようなブーツでは、大きな怪我をしかねません。
ペダルを操作する方向以外には足首が曲がりにくい製品の中で、痛くならないものを選ぶのが良いと思います。使い込めば革は柔らかくなるので、新品でやや固いと感じる程度であればさほど気にしなくても良いと思います。
使い勝手の部分では、つま先部分が不必要に厚いブーツはシフトペダルの下に足を入れにくくなります。
グローブは、いわゆるレーシンググローブと呼ばれるものがよいでしょう。手首部分を締めるなど転倒時にも脱げにくい工夫がされていますし、手の甲側にはプロテクタも付いていますから安全性は高いです。スロットルグリップが滑りにくくなる工夫がされている製品なんてのもあります。
ただし、レーシンググローブは操作性を高めるために手のひら側が薄くなっているものが多いです。薄い=破れやすいということですから、転倒時に手を地面に突っ張ってしまうのは危険です。全体的に安全性は高いのでレーシンググローブがお勧めですが、転んだときには手を突っ張らないように気を付けましょう。
サーキットを走るからと特に交換しなければならない部品というのは、ほとんどありません。基本的な整備ができていればOKです。
エンジンや車体などから異音が出ているなど、車両に重大なトラブルがありそうな場合は言うまでもなく走行できませんが。
チェックポイントは次のような感じで。
ブレーキパッド残量が適切なこと
チェーンの張り/注油状態が適切なこと
タイヤの空気圧が適正なこと
タイヤのひび割れが無いこと/溝があること(※)
レバーの折れ、ハンドルバーエンドの脱落などによる、危険な突起物が車体に無いこと(※※)
(※)一般道の走行からは想像もつかないほどタイヤが減ります。スリップサインが出そうなくらい減ったタイヤであれば、交換しておくほうが良いです。
そもそも減ったタイヤでは面白さ半減ですしね。
(※※)転倒時に体に刺さる危険があります。取るに足らないような軽い転倒であっても、部品が体に刺さればあなたのバイクライフや生命そのものが終了する可能性もあります。転倒時に他の車両を巻き込んだ場合には、相手ライダーにも同様の危険を与えてしまいます。
社外品ステップにはステップバー下面を斜めに切り落とした形状で販売されているものもありますが、これにも同様の危険があると思います。なお、公式のレースでこのようなステップを使用することはできません。
冷却水量が適正なこと
冷却水の漏れが無いこと
エンジンオイルの漏れ、滲みが無いこと
ガソリンが入っていること
エンジンオイル、ブレーキ/クラッチフルード量が適正なこと
エンジンオイルが交換時期でないこと(交換時期が近ければ換えてしまったほうが良いでしょう)
ブレーキフルードが交換時期でないこと(交換時期でなくとも変色していたら交換しましょう)
各種油脂類(エンジンオイル、ブレーキフルード、フォークオイル等)の漏れ、滲みが無いこと
排気音が大きすぎる場合は走行できない可能性がありますので注意しましょう。車検に通る程度の音量ならばたぶん問題無いでしょう。
それ以外でしておいた方が良いものとしては、オイルドレンボルトのワイヤリング。万一ドレンボルトが緩んでも、外れて落下しないように、金属ワイヤで留めてしまうのです。これを行うためにはワイヤを通すためにドレンボルトに穴が開いてなければいけません。ボール盤でもあれば自分でボルトに穴を開けることもできますが、工作機械が無ければそれも難しいですね。ナップス、ライコランド、コーリンなどの用品店では、穴の開いたドレンボルトも売られていますので、それを購入しても良いでしょう。オイル交換の時にでも、穴開きのドレンボルトに換えてしまいましょう。
ドレンボルトのワイヤリングをしていないと走行できない場合もあります。
ワイヤリング自体は、誰かがやってるのを見ないと分からないと思います。バイク屋も含め身近にワイヤリングのできる人が居れば、その人に聞いておく&練習しておくことがベストです。
そうも行かない場合はサーキットの現地で他のバイクを観察してみましょう。ワイヤリングには、ワイヤと工具(ワイヤツイスターといいます)が必要なので、これはサーキットに行く前に用意しておきましょう。忙しくなさそうなときを選んで、同じピットや近所のピットで整備している人に聞いてみるとよいでしょう。ワイヤリングの方法なんて秘密にするようなモンでもないですし、慣れれば難しいことでも無いですから、よほどヘンな人じゃない限り教えてくれるでしょう。
基本は「緩まない方向に引っ張る」です。
ナンバー付きでは難しいかも知れませんが、4ストロークエンジンの車両はオイル溜めのあるアンダーカウルを装着していると更に良いかも知れません。フルカウル車よりも、ネイキッドなんかの方が装着しやすいかも、とは思います。
まずは革製品から。
ツナギ→穴があいてないことを確認します。
ブーツ→穴があいてないことを確認します。
グローブ→穴があいてないことを確認します。
ヘルメット。
転倒などでどこかに打ち付けた形跡がないことを確認します。
一度でも硬いものに打ち付けてしまったら、そのヘルメットは終了です。新しいのを用意してください。
簡単でしょ?
ここまで来たら、あとは走るだけ。走るためには、大きく分けて二つの方法が考えられます。以下のどっちかを選びましょう。
そのまんまです。雑誌なんかを覗けば、走行会の案内が出ています。自分のバイクで走れるかどうかを確認したら、走行会主催者に連絡し、申込をすれば終了。呆気ないくらい簡単に手配できると思います。
値段はまちまちですが、60分の走行で15,000円〜20,000円くらいというのが多いかな?
ミニバイクその他、125cc以下の場合は走行会があまり無いようです。もし適当な走行会が見つからなければ、次の方法(ライセンス取得)を試してみてください。
同じサーキットを何度も走ろうと考えているならば、走行会ではなく、そのサーキットの会員になってしまう方が安上がりです。大きなサーキットでは入会金と年会費、ライセンス料を合わせると数万円になりますが、年間4〜5回もサーキットに行くなら、合計金額は走行会よりも割安になるでしょう。走行料だけなら、60分で5,000〜6,000円程度にしかなりません。2年目からは入会金も掛かりませんしね。
サーキットライセンスとはそのサーキットを走るために必要なライセンスのことで、会員証と言い換えてもよいかも知れません。
ミニバイクその他の小型バイク用のサーキットであれば、年会費、走行料ともずっと割安です。大きなサーキットと比べ、費用は半分か1/3程度で済むのではないでしょうか。
ライセンス取得の講習会はサーキットごとに形式が違うので、気になるサーキットに電話やメールで問い合わせてみるのが良いでしょう。小さいサーキットであれば「講習会は随時開催、その当日から会員として走れます」なんていうところも割とあります。
ライセンス講習時にコースを数周走らせるサーキットもあるので、その場合はこのときまでに整備を完了していなければいけません。
これで準備は全部終了。あとは当日サーキットに行くだけです。
行き方が分からなければ、マピオンなどで確認したり、主催者やらサーキットやらのWEBページを見たり、といった方法があります。ツーリングと一緒です。
早めにサーキットに行き(受付時間終了の1時間くらい前)、軽くコーヒーでも飲んで体を休めておくのも必要だと思います。ただ、あまり早く行き過ぎても、待ちくたびれて走行前に疲れ果ててしまうかも知れません。自走で行くのであれば、前日の晩からサーキットの前で張ってる、などということはしなくてよいでしょう。
あとは走行です。自走で行く場合は派手に転倒してはいけません。帰れなくなってしまいます。転倒してはいけないのは公道でも同じことですが。
峠も含め、公道を走っていて頻繁に転倒することはないでしょう(公道で頻繁に転倒するようなら、命を落とす前にバイクとの付き合い方を考え直しましょう)。無理しなければそう簡単には転倒などしないのだから、ナーバスになることはありません。ナーバスにならなければいけないような走り方は、サーキットであっても危険です。集中しつつも常にリラックスして乗りましょう。できないこと(できない乗り方)は、しないことです。
これで今日からサーキットを走る人になれます。持ってると便利なグッズについては、またいずれ。
それでは楽しいサーキットライフを。